「先生、なんで医師になったんですか?」
この質問、時々聞かれます。
僕が医師になった理由は・・・
物心ついた頃から、医師になりたかった。
というか、おばあちゃん子だった僕は、とにかくおばあちゃんに長生きしてほしかったんです。
おばあちゃんの長生きを叶えられる仕事は?
「お医者さん!」
ってな感じの、子どもらしい安直な発想(笑)
そのまま、物心ついた頃からの夢は「お医者さん」でした。
でも、夢と現実(成績)は違います(笑)
夢と現実の間で葛藤していた15歳の時、僕は大きな事故に遭います。
2ヶ月ほど学校を休み、治療に専念することになりました。
入院中、寝ていることしかできなかった僕を担当してくれたのが、吉岡先生という先生でした。
背が高く、眼鏡をかけた先生でした。
言葉数の多い先生ではなかったけれど、黙々と仕事をして、僕を治療してくれました。
言葉で語るより、治療で語っている。
そんな職人的な先生でした。
「カッコいいなぁ」
感謝と憧れの目線で、先生の治療を受けていました。
現実とは少し離れたような入院生活の中で、僕は、
「きっとこの怪我には意味がある」
と、勝手に宿命的なものを感じるようになります。
そして、
「やっぱり自分は医師になるんだ」
そんな勝手な妄想を膨らませていました。
再び学校に戻った僕は、少しだけ本気で、医師になる夢に向かって勉強を始めました。
遅れていた授業を取り戻すのは、結構大変でした。
それでも、そのうち少しずつ成績が上がっていきます。
しかし、医学部受験には到底届かず、結局、受験1年目は医学部に入学することができませんでした。
親にこれ以上苦労をかけたくなかった僕は、一旦、別の学部に入学します。
ただ、やっぱり諦めきれない・・・
そんな自分と葛藤した末に、再チャレンジを決意しました。
いわゆる「仮面浪人」という選択です。
入学した大学には休学届を出し、そこからは、ひたすら勉強を続ける一年でした。
この決意の裏側には、今から思うと、
おばあちゃんとの約束。
そして、大けがを経験した自分なりの意味づけ。
そういったものがあったのでしょう。
そして一年遅れで、自治医科大学に入学することができました。
まだ医師になれたわけではありません。
でも、「医師になる」という夢のスタートラインに立てた瞬間でした。
おばあちゃんは、自分のことのように本当に喜んでくれました。
今でも、その姿は頭の中に焼き付いています。
結局、僕が医師になった理由は、
・おばあちゃんがいてくれたこと・事故を経験した自分なりの意味づけ
だったんだろうな、と。
今はそう思っています。
医師になって、もう四半世紀近くになります。
棚卸しではないけれど、先週末、仲間の先生と「なぜ医師になったのか」という話をする機会がありました。
そんなことをきっかけに、今回は少しだけ、自分自身の話を書いてみました。
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