豊胸術は美容外科領域において多く行われている施術の一つです。その方法には人工物によるものと自家組織によるものと、大きく2種類に分けられます。人工物による豊胸は、シリコンインプラント豊胸と、ジェル状の充填剤を使用するフィラー豊胸があり、自家組織による豊胸は脂肪注入があります。
人工物による豊胸は古い歴史の中で安全性が常に問われ、素材の問題や手術方法の遷延があり現在に至っております。そのような中、現在における世界的な流れはシリコンインプラントによる豊胸術が一般的とされています。
一方、手技の容易さやダウンタイムの短さゆえにフィラー豊胸も多く行われておりますが、その安全性には問題があり、長期的に身体への影響は無視できないであろうと形成外科学会・美容外科学会でも問題視する声がしばしば上がっておりました。しかし全体像の把握には至っておらず2018年に形成外科専門医で構成される日本美容外科学会(JSAPS)が全国の会員にアンケート調査を行いました。
その結果、我が国では世界的に主流とされているシリコンインプラントが、わずか2割強と少なく、約5割弱がフィラー豊胸という結果でした。またフィラー豊胸の合併症が非常に難治であることが分かり、先日の美容外科学会総会で緊急提言が行われました。
フィラー豊胸の合併症の内訳は、しこりの触知44%、感染症22%、皮膚変化8%、変形6%などで、10年以上経過した後にも起こっており、治療により完全に除去することが難しい例が多くみられることがわかりました。顔などの使用量と比較すると大量の投与が必要であり長期にわたり残留し、組織内に浸潤するために起こる合併症と考えざるを得ません。
FDA(アメリカ食品医薬品局)では、長期にわたる安全性が担保できないと推奨されていないのが現状です。また、韓国美容外科学会において特定のフィラーに関して使用に反対する見解を表明されているにも関わらず、同一のフィラーが日本の一部の大手美容外科チェーン店を含む日本人医師により積極的に使用されている実態もあるようです。当院としてはこのような安全性の担保されていないフィラー豊胸を行う事は出来ないと判断し、以前より施術を行わない方針でしたが、今回の学会の提言受け、改めてその理由を皆様にご理解を頂けたらと思います。
過去に起きたワセリン・オルガノ―ゲン注入など豊胸に係る美容外科医療の負の歴史が繰り返されないよう願うばかりです。
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